びびる
お盆の季節がはじまる。
一件、一件、
お参りしていると、
体の具合がよくなった人、
結婚した人、
亡くなって会えなくなった人、
様々な人がいる。
信号待ちで、
知り合いのお坊さんと
偶然隣り合わせになったので、
窓を開けて健闘をたたえあった。
***
車を運転しながら、ふと
自分が「びびり」だからできた。
ということは、結構あるなと思った。
僕は、
「お坊さん」になった時、
「役に立たない」「おもしろくない」
と言われるのが、恐かった。
びびっていた。
だから、
がんばれた場面もずいぶんあると思うのだ。
でも、
考えてみたら、
最近、
「校長先生の話のように退屈」
というフレーズを耳にしたけれど、
そもそも、
お坊さんの話だって、
そういう風に感じている人もいるし、
自分だって、「受け手」の立場だったら、
特に期待したわけではないかもしれない。
「びびらない」ことを財産にしている人がいるように、
「びびる」ことだって、
時々、宝物になるのかもしれない。