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ミッセイ・ノート

憶えている不正確なこと

 村上春樹さんの『シドニー!』という本があるのだけど、その本に、トラベルライティングの基本について書かれてあった箇所があった。それは、端的にいって「とにかく、どんな些細なことでも、メモをとれ」という話である。人間は、どんどん忘れる。だから、書き留めていくしかないんだ、という話であったような気がする。
 村上春樹さんの著書には、この種の「金の智慧」が書かれていることが、(主にエッセイにおいて)あり、油断ならない。僕が他に憶えているのは、『はいほー』だったとおもうけれど、(これは自信がない)、書けない時は、書かなくていいから、他になにもせずに、毎日決まった時間、机に座って「ぼーっと」する、という方法である。この方法は他の仕事にも応用の利く、すごい方法だと思っているのだけど、なかなか、どうして簡単ではないんですよ。これは村上さんが、海外の小説家の創作法から学んで、実践していることだったように思う。
 ついでに、最近、改めて「なるほどー」と目を開かされたのは、『若い読者のための小説案内』(だんだん書名もあやふやになってきた)に、書かれていた読書会における読書法である。これも、記憶なので興味がある方は、本を読んで欲しいのだけど、この本は色々な「本」をテーマにして、アメリカの大学や日本の編集者の前でおこなった授業のようなゼミナールのようなものの記録である。そこで村上さんが勧めた読書法は、1、部分的に暗記してしまうぐらい何度も読む。 2、些細なことであっても(些細であればあるほど好ましい)、疑問点や思ったことを、書き留めていくこと。 3、出来る限り(無理に、という意味ではない)冷笑的であるよりも、その本や登場人物を好きになろうとすること。(だって楽しむために本を読んでいるのだから) 
 正確にそういう内容だったか自信がないけれど、色々なことに応用できそうな素敵なスタンスですよね。もちろん、仏教や宗教を考える時にも大いに参考にできそううだ。

 というわけで、いつもの「ほぼ日」手帳と同時期に買ってあった、大きめのほぼ日手帳、「カズン」にメモを書きはじめたのだ。(めくってみる)そうそう、NHKで三沢厚彦さんがトップランナーに出ていたのに、見逃していたので、はじめてインターネットの「NHKオンデマンド」で、番組を購入してみたんだ。マックでも見られるようになっています。

 三沢さんの回もおもしろかったのだけど、オンデマンドでずっとみたかった糸井さん司会の番組「YOU」も観ることが出来た。しかも、坂本龍一さんの音楽教室。これもメモをとっていたんだったけれど、いま、見つからない。こんな感じだったろうか。

1,何度も何度も時間をかけて、自分の好きな音をさがしてね。

1,自分の好きな音を恥ずかしがらないでね。人の好きな音を馬鹿にしないでね。

これも、ぜひ、みなさん、観られるといいと思いました。

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