放浪僧侶
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ミシマガ・1月23日にこのサイト「山歌う」は正式オープンです。
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僕の住む今治市の「玉川町」では、
同じ真言宗のお寺が7寺あって、
その中で、”若い人”がいるお寺が、
4寺ある(僕も一応含めて)。
その四人で、
前話していたのだけど、
ここで、
生まれ育った人が、
ひとりもいないのだ。
僕は小学4年生から、
ここにいるので、
まぁ、故郷と思っているけれど。
ある人は、
結婚した人が寺の娘さんだったり、
ある人は、
寺の次男に生まれてこの地に縁があった。
***
栄福寺の歴代住職のお墓を掃除しながら、
墓石をみていると、
昔のお坊さんは、
一生の中で、
全国の色々なお寺をまわっていたようだ。
(そのお墓は江戸時代)
本山が本社で、
各お寺の末寺(まつじ)住職は、
支店店長のような存在だったのだろうか。
(今でもある意味そうだけど)
***
僕は、父親が高校教師なので
何度か転校を経験した。
そのせいか、
意外と人間関係に冷めてみえる部分もあるようだ。
一度、占い師のひとに、
「あなたは放浪する癖があるので、
気をつけるように」
と言われた。
「えーっと、
それって悪いことなんですか?」
「そうよ。
なんとしても、
ひとつの場所に留まるの」
と言っていた。
その占い師は、
僕の先輩に、
「あなたは布団の上で死ねません」
「じゃあ、どこで!?」
「交通事故とか・・・」
というとんでもないことを言っていたので、
信用しないほうがよさそうだけど、
なんだか、よく思い出すのだ。
仙遊寺で見せてもらった、
シェパードの親子