メインメニューをとばして、本文エリアへ

民話紹介

栄福寺にまつわる民話を、2つを紹介します。


民話1「犬塚池の犬のはなし」

犬塚池

むかし、栄福寺と隣の四国五十八番札所仙遊寺では、
1匹の犬を飼っていました。

当時、
ひとりのお坊さんが両方の、
お寺の住職をしていましたので、

留守を任された栄福寺、仙遊寺の小僧さん達は、

住職に用事が出来ますと、
お寺の鐘を鳴らして犬を呼び、
住職さんへのお使いを頼んでいました。

しかしある日、
偶然なのか小僧さん達のイタズラなのか、
まったく同時にお寺の鐘が鳴りました。

どっちに行こうか、
決める事の出来なかった犬は、
目の前の池に身を投じ命を失ってしまいました。

それ以来、
この池は犬塚池と呼ばれています。

地図で見るとわかりますが、
この池は犬の形をしているようにも見えるんです。


大きな地図で見る

栄福寺から仙遊寺に向かう歩きのお遍路さんは、
この池を左手に観ながら、
へんろ道を歩く事になります。

<住職の所感>

この話は、地元の人にもよく伝えられている話ですが、
教訓めいた事はいわず、ただ話だけが伝わっています。

子供の頃は、
特になにも考えていなかったのですが、
住職になってよく考えてみると、

ちょっとした偶然や、
出来心のイタズラから、
命を落とすような痛手を与えてしまうことがある事。

また
どちらかを選ぶべき時には、
しっかりと選択しないと、
目の前に池に身を投じるしかなくなってしまう・・・、
というような想像をします。

偶然ですが、
現在でも仙遊寺さんではシェパードが、
栄福寺にはラブラドールが飼われています。


民話2「村を救ったお薬師さま」

むかし、
栄福寺の薬師堂の前には、
綺麗な桜の木がありました。

ある日、
村の人達が花見をしながら
「フグ鍋」を囲んで宴会していると、
フグの毒にあたって気分がわるくなり、
嘔吐する者もありましたので、
鍋の中身を木の根元に捨て、家に戻りました。

毒のフグは猛毒ですので、
当然、誰か亡くなってもおかしくなかったのですが、
さいわい命を落とす者は誰もいませんでした。

しかし、
翌朝栄福寺を訪れると、
桜の木は、一晩で枯れていました。

村人は栄福寺のお薬師様が、
助けてくれたに違いないと感じ、
ますますお薬師様への信仰を深めました。

前記の通り現在でも、
毎年、栄福寺のある八幡地区の子供達が、
住職と共に薬師堂で地域の身体健悟を祈願し
お勤めをします。

また、
それを知ったお遍路さんが、
栄福寺の薬師堂の灰や、
薬師如来のお守りを求める方も、
多いのです。